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今年のGW週間は、「熱狂の日」と同じく印象に残ったイベントがあった。ジャズ界の巨匠、チック・コリアと日本人若手No.1の上原ひろみによる一夜限りのジャズ・ライヴ。4月最終日の30日、仕事帰りに会場の武道館へ。ジャズは最近ご無沙汰していただけに、期待が高まる。上原ひろみを聴くのは'04年に東京ビッグサイトで開催された「東京JAZZ」の音楽祭以来だから実に4年ぶり。そしてもちろん、チック・コリアは今回が初めてとなる。 今回は、昨年9月にブルーノート東京でライヴ録音されたアルバム「デュエット」の発売記念を兼ねた、再演ライヴとの事だが、それを武道館でやってしまうというのだからすごい。しかも場内は老若男女のファンで埋め尽くされ、ほぼ満員。ジャズ・ピアノ界で今や最強のコンビである事を窺わせる。 本番では演奏と共に、時折、チック・コリアによるMCが会場を沸かせてくれる。さすが武道館だけに、音響も含めた環境はよくなかったが、ジャズ・ライヴはPAを通すのが通例だし、左右に中継用の特大スクリーンが設置されているおかげで、二人の動きがよく分かり、不自由に感じることはなかった。 基本的なモチーフはあるのだろうが、基本的にインプロヴィゼーションで進行するジャズの世界。楽譜に基づいて演奏され、知っている曲だったりすると先の展開が読めるクラシックと違って、楽譜もなく、先の展開も読めないジャズは、いい意味で右脳が鍛えられるような感じがする。ましてや二台のピアノだけの演奏なので、二人が作り出す即興の世界に、耳が否が応でも集中させられてしまう。その時のインスピレーションや、演奏のノリ、お客の反応といったものが、その時にしか生まれない音楽となる。これぞ、ジャズの醍醐味だろう。 一曲毎のエンディングは、二人の阿吽の呼吸がないと終われない。それはまるで息が合わないと始まらない相撲の立会いを見ているようでもある。 ガーシュウィンの「サマータイム」やビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」など、お馴染みの曲をモチーフにした演奏も。途中、二人がパーカッションを持ち出してリズムを取ったり、プリペアード奏法をとったりと、豊かなパフォーマンスもみせてくれた。 日本人とアメリカ人、まるで父(チック・コリア:68歳)との子(上原ひろみ:29歳)ほどに差のある年齢・・・客観的に考えるとある意味、不思議な光景だが、国籍や言語という壁を飛び越え、音楽=ジャズというツールでコミュニケーションを楽しんでいる様子が伝わってくる。 休憩なし、約1時間半のぶっ通しライヴだったが、何より、上原ひろみのヴァイタリティとテクニックには感服してしまう。あの小柄な体から生み出される圧倒的なパワーの源は何なのだろう・・・ジャズを愛し、巨匠との共演を心底楽しんでいる彼女だからこそなせる業なのだろう。 アンコールはもしかして・・・と聴衆の期待通り、ピアノデュオによってあの「スペイン」が!冒頭、上原ひろみがアランフェス協奏曲のコードで盛り立てると、チックが「スペイン」のメロディーで応え出す。やっぱり、名曲「スペイン」。聴衆も手拍子で応え、一気に盛り上がる。まさしく、武道館がジャズクラブに変身した一夜となった。 クッションのないシートの為、終演後はお尻が痛かったのはいうまでもない(^^;お腹も減ってしまうあたり、やはりジャズは専門のライヴ・ハウスで聴きたいものだ(^^) |
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