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今年もついに「熱狂の日」(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン)が開幕!「シューベルトとウィーン」と題されたテーマで開催される今回、仕事帰りに職場の上司と東京国際フォーラムへ。あいにくの雨模様ではあったが、会場に着くといつもながらの屋台風景が見られ、昨年同様、この音楽祭への期待の高さを窺わせる。 この日のメイン公演は何といっても、ヴァイオリンの庄司紗矢香とピアノのボリス・ベレゾフスキーの2大アーティストが出演するホールAでの最終公演といっていいだろう。22時15分という遅い開演にも関わらず、5,000人収容のホールAはほぼ満席という状態!S席の当日券を購入するも、前方の席はほぼ完売で、1F最後列から2列目の席しか取れなかった。しかしながら、2大アーティストの出演で、S席でも2,500円と格安なこと、また、事前予約購入客も増えている事から、フランス発の「熱狂の日」音楽祭が、日本でも着実に定着している事を窺わせる。 自分の中では、パガニーニ国際コンクールで史上最年少、日本人として初めての優勝を果たし、以前TVで観たサー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン響の来日公演での共演の記憶が新しい庄司氏の演奏と、'90年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門の覇者で、昨年「熱狂の日」の初日公演では、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のチケットが完売で惜しくも聴けなかった、べレゾフスキー(その後、CD盤で2番・3番をエントリー)が生でそれぞれどういう演奏を聴かせてくれるかが楽しみで、期待を寄せていた公演だった。 当夜のプログラムは以下の通り。 @シューベルト:ロンド イ長調 D438(ヴァイオリンと管弦楽版) Aベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」 ヤシェク・カスプシク指揮 シンフォニア・ヴァルソヴィア 前半、真紅のドレスを身にまとった庄司紗矢香が登場。ホールAの1F最後列から2列目(47列目)だと、ステージとの距離がかなりあり、ヴァイオリンのソロがこの5,000人収容の大ホールでまともに聴けるかが心配ではあった。伴奏のオケが小編成な分、オケのサウンドはさすがに距離感を感じさせられたが、ヴァイオリン・ソロの音は後部座席でもはっきり聴き取れる!これにはびっくりした。遠くまで響かせられるのは良い楽器というが、これは彼女が使用しているストラディヴァリウスゆえの特性なのだろうか? 15分あまりの短い曲ではあったが、シューベルトの音楽以上に、ストラディヴァリウスの遠くまで響く渡る音に、耳は集中していた(^^) もちろん、このよく伸びる美音は、この楽器の能力を最大限に発揮できる庄司氏の才能があるからに他ならない。 そして後半の「皇帝」では、いよいよ真打ち、ベレゾフスキーが登場。4年前の第1回開催時から登場している常連アーティストだけに、さすがに手慣れた感がある。有名な1楽章の冒頭は、早めのテンポで堂々とした展開。チャイコフスキーやラフマニノフの協奏曲でヴィルトゥオーゾぶりを発揮する彼にとって、ベートーベンの協奏曲では、やや物足りないようにすら聴こえてしまう。個人的に大好きな2楽章のアダージョは、やはり美しい。そして“待ってました!”といわんばかりに始まる3楽章冒頭のソロ。ここを難なく一気に弾ききったベレゾフスキーのソロは、まるでジャズのアドリブを聴いているかのよう! そんな彼の快速さに負けじと、オケもそのテンポで応える。今回、以前から何枚かのディスクを通じてその音楽性の高さに注目していたカスプシクの指揮を生で見れたのも良かった。歌劇場での経験が長く、オペラの世界では第一人者でもある彼だけあって、オーケストラのドライブも見事なもの。オケに伝わりやすい明確な指揮ぶりもその理由だろう。ピアノとオケの呼吸の良さで、コーダまで一気に駆け抜けた、まさにヴィルトゥオーゾなベートーヴェンとなった。 初日の「熱狂の日」から、熱い演奏を聴かせてくれた今宵のアーティスト達に感謝!思い起こせば昨年、この初日の最終公演でも、コルボのフォーレ「レクイエム」で感動したのだった。自分を含むお客の満足げな顔に、クラシックの輪が広がるきっかけとなれば嬉しい。夜遅くに聴く都心の音楽会も中々いいものだ。特に仕事を抱えるサラリーマンにとっては有難い。 終演後、外に出ると雨が本降りになってきた。会場入口近くのおしゃれな花壇の前に飾られたシューベルトのタペストリー(画像:下)が、またよく似合っていた(^^) |
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