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ウィーン・フィルの首席トランペット奏者として'85〜'96年まで在籍し、現在はザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院教授として、またソリストとしても活躍する名トランペット奏者、ハンス・ガンシュ(b.1953:画像下)が率いる11名のスーパー金管集団「オーストリアン・ブラス・コネクション」の最新アルバムが登場した。 現役時代はバーンスタインとのマーラーや、小沢征爾とのR.シュトラウスなど、数々の巨匠達との共演においてウィーン・フィルのトランペットセクションを先導。ウィーン・フィル退団後、自分なりの理想のサウンドとアンサンブルを追求してきた彼が録音したアルバムは、既に何枚もリリースされているが、「オーストリン・ブラス・コネクション」としては2枚目となる。 トランペットセクションだけでも、ベルリン・フィルからミュンヘン・フィル、ウィーン響のメンバーといったそうそうたる顔ぶれ。この辺り、ロンドンの主要オケの奏者からなる伝説のアンサンブルを立ち上げたフィリップ・ジョーンズとの共通点も。 ガンシュのテクニックだけでなく彼の音楽性を堪能できる一枚となった。 収録曲は以下の通り。 ○オーストリアン・ブラス・コネクション ('06年頃録音、シャガール・レコード輸入盤) @モーツァルト:「魔笛」序曲 Aバッハ:アリアとコラール『私の貴き救い主よ、お尋ねします』〜ヨハネ受難曲より Bスメタナ:「道化師の踊り」〜歌劇『売られた花嫁』より Cムソルグスキー:ゴパック〜歌劇『ソロチンスクの市』より Dショスタコーヴィッチ:第20番、第14番、第6番〜『ピアノのための24のプレリュード』より Eコープランド:「市民のためのファンファーレ」 FJ.ウィリアムス:「スター・ウォーズ エピソードT、U」 ・The Flag Parade ・Duel Of The Fades ・Across The Stars ・Augie Gミュールバッハー:「ABCはシュテファンスドームを守れ」 Hブルックナー:アヴェ・マリア 実に幅広いレパートリー。ほぼ時代順に並ぶ曲目、ドイツ・オーストリアから、チェコ、ロシア、アメリカという幅広い作曲家の作品、多彩なジャンルのアレンジ(D:ピアノ曲、F:映画音楽 H:声楽曲)、そしてGのような委嘱作品まで・・・。 @〜Cまではオーストリアの団体らしい選曲だが、面白くなってくるのはやはり後半のD以降のプログラム。ショスタコーヴィッチのピアノ曲をブラスアレンジした珍しいDや、ジャズ・フィーリングなセンスも感じさせるGも面白いが、何といっても今回のアルバムでの注目曲はF「スター・ウォーズ」。ウィーン・フィルが、もし「スター・ウォーズ」を演奏したらこうなるのでは?と思わせる実にスリリングな演奏に仕上がっている。 たった11人の金管奏者で、迫力あるオケのフル・スコアと同等な雰囲気を作り上げてしまう・・・特にトランペットはハイトーン続出のアレンジで、相当なスタミナが求められるにも関わらず、技術的な難易度を感じさせずに聴かせてしまうのは、まさしくガンシュがいるからこそなせる技なのだろう。サントラを担当したロンドン響のメンバーがこの演奏を聴いたら絶賛するに違いない(^^)特に「Augie(オージーの大楽隊〜エンド・クレジット)」は前半の耳に馴染みやすい民族的な旋律と、後半のメイン・タイトル部分で構成されており、i-podでもリピート率の高い曲になっていた。 ウィーン・フィルのトランペットセクションに感じるのは、厚みはないがストレートでよく伸びる音色、そして他のオケ楽器とも調和しやすい音色を持っている事だろうか。このアルバムでもそんな音色を感じる事ができる。これは通常のピストンでなく、ロータリー式のトランペットを用いて演奏するという仕様の違いもある。この辺り、ウィーン・フィル出身のガンシュのこだわりなのだろう。実際、彼はシャガールという楽器メーカーのロータリー・トランペットを愛用しているようだ。ちなみに、この録音もシャガールである所にも興味がいく。 ラストを、お国もののブルックナーの宗教曲で締めくくるあたりも、実にシブイ選曲だ。まるで聖歌隊が歌っているような音程の統一感は、やはりウィーン・フィル出身のガンシュの率いる団体ならでは、と思わせる。来日公演で実際に生で聴いてみたいものだ(^^) |
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