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ぽかぽか陽気の心地よい春日和になった。こんな日は爽快なフル・オーケストラのサウンドで頭をリフレッシュしたくなる。いつも深夜に聴く事が多いQUADスピーカーもこんな日はたっぷりと鳴らしてあげたい。 自分にとってオーケストラサウンドの醍醐味を教えてくれた映画界の巨匠、ジョン・ウィリアムズの曲で、'84年のロサンゼルスのオリンピックのために書かれた「オリンピック・ファンファーレとテーマ」を。ブラスによる輝かしいファンファーレとストリングスが奏でる美しい旋律に導かれて、オーケストラサウンドが堪能できる曲。単なる式典の音楽としてだけでなく、何か新たなスタートとなる節目の時に聴きたくなる、ポジティブな気持にさせてくれる曲だ。 実に爽快感あふれる曲だ。ジョン・ウィリアムズはこの'84年のロス五輪をきっかけに、'96年のアトランタ五輪、'02年のソルトレイク冬季五輪等、計3回のオリンピックのテーマ音楽を手がけている。('88年のソウル五輪でのNBCの番組のために作曲したテーマ音楽を加えると計4回) そういえば高校1年時の体育祭で、このオリンピック・ファンファーレの冒頭部分を、吹奏楽部のブラスセクションで吹いたのを思い出した。 今回は世界のポップス・オーケストラを代表するボストン・ポップスとシンシナティ・ポップスによる、計3つの演奏を味わってみたい。 @ジョン・ウィリアムズ指揮 ボストン・ポップス (シンフォニーホール、ボストンにて収録、PHILIPS輸入盤) Aジョン・ウィリアムズ指揮・ボストン・ポップス ('96年1月録音、シンフォニーホール、ボストンにて収録、ソニー輸入盤) @はジョン・ウィリアムズ自身の指揮による最初の録音。ロス・オリンピックの興奮がそのまま伝わってきそうで、不動のマイベスト盤となっている。 朗々と鳴り響くボストン・ポップスのブラスセクションと美しく溶け合うストリングス、それにシンフォニーホールの豊かな残響が加わって、ダイナミックレンジの広いサウンドを展開する。 映画音楽に加え、オリンピックファンファーレの音楽も担当する事で、ジョン・ウィリアムズの名が世界中に知れ渡ると共に、ボストンポップスの人気も一層高まるきっかけとなったに違いない。この頃のウィリアムズは、創作・演奏活動の両面において、まさに理想的な環境にあったように思う。前任のアーサー・フィードラーが築き上げた伝統と名声を、更に高い次元に高めてくれたのがジョン・ウィリアムズだった。 録音も優秀。シンフォニーホールのピラミッド状に展開するサウンドをくまなく捉えたフィリップスの陣営の技術が光る。 ジョン・ウィリアムズ&ボストン・ポップスの公演は残念ながら聴くチャンスがなかったが、'87年の初来日の模様が放映されたビデオは今でも大事に保存している。その時は、ボストン・ポップスの2軍オケともいうべき、ボストン・ポップス・エスプラネード・オーケストラとしての来日だった。サントリーホールでの公演だったが、オープニングに「オリンピックファンファーレとテーマ」が演奏され、CDと変わらないあのボストン・ポップスのサウンドを聴けたのが嬉しかった。 一方、Aのディスクは、'96年の夏、ホームステイ先のシアトルで購入したもの。この年はアトランタ・オリンピックがあり、そこでもジョン・ウィリアムズが曲を書いた「サモン・ザ・ヒーローズ」が一躍脚光を浴びた年でもあった。このアルバムはそんな「サモン・ザ・ヒーローズ」を含む過去のオリンピック曲も収録された記念のオリンピックアルバムだった。 このアルバムでは冒頭のファンファーレの前に、'68年のフランス、グレノーブルでの冬季オリンピックのファンファーレとして演奏された「Bugler's Dream」のテーマが奏でられ、そのまま'84年のロス・オリンピックのファンファーレにつながるというアレンジが施されているが、個人的にはロス・オリンピックのファンファーレの冒頭部の一部が消えてしまった事で、魅力が半減してしまったように感じた。 録音もクリアに捉えてはいるものの、ホールの残響のブレンドの巧さは、フィリップスに軍配が上がりそうだ。 ○エリック・カンゼル指揮 シンシナティ・ポップス・オーケストラ ('85〜86年録音、ミュージックホール、シンシナティにて収録、TELARC輸入盤) 中1で初めてCDプレーヤーを購入した頃にレンタル店で借りた「Pomp & Piazz」と題されたアルバムに収録されていたオープニング曲。他の選曲の素晴らしさと相まって、当時カセットテープに録音して愛聴していた。そんな懐かしさもあって、昨年、ようやくCDとして購入。 シンシナティ・ポップスは、自分にとって初めて聴いた海外のオケという事でも思い出深い。高校2年時に初来日したサントリーホールでの公演だった。 カンゼルのタクトに機敏に反応し、ここでも輝かしいブラスセクションが聴ける素晴らしい演奏。ボストンポップスとはまた違ったカラーが楽しめて興味深い。ただ、全体的なテンションの高さやオケのノリという点では、シンシナティ・ポップスよりもボストン・ポップスの方が余裕が窺われる。 オーディオ的な楽しみ方も満喫できる優秀録音は、さすがテラークならではだ。 |
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