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本日はフレンチものを・・・。仕事帰りの金曜夜、横浜みなとみらいホールでフランス国立リヨン管弦楽団の来日公演を、前回「熱狂の日」でご一緒したクラシック好きな上司と共に聴きにいく。 ここ数年、一年に一度の贅沢で海外オケを聴くのが習慣となってきた。今回は2年前のマリス・ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団(ピアノ:イエンフ・ブロンフマン)、昨年のファビオ・ルイージ&ウィーン交響楽団(ピアノ:上原彩子)に続く鑑賞となる。サラリーマンをしていると、1〜2週間前にならないと予定が見えてこないから、チケットを入手できなかったり、当日券も売切だったりするのが惜しい。クラシック好きなサラリーマンも多いはずなので、サラリーマン専用の当日シートなるものも是非作ってほしいものだ(^^; 当日のプログラムは以下の通り。 @ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 Aメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 ヴァイオリン:山田晃子 <アンコール> 無伴奏ヴァイオリン曲 −休憩− Bムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編) <アンコール> ドビュッシー:月の光(オケ版) 指揮は最近めきめきと頭角を現し、N響との公演でも数々の名演を残している日系ドイツ人の俊英、準・メルクル。彼が'05年に就任したフランスのオケ、フランス国立リヨン管弦楽団からどんなサウンドを引き出してくれるのかが、自分にとって最大の楽しみだ。プログラム順に印象をコメントしてみた。 @ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 フルート・ソロの伸びやかな旋律が印象的な曲。お国ものの曲だけあって、自国作曲家への敬愛の念が感じられる。そういえば先日も、ピアニスト中井正子のオール・ドビュッシー・プログラムを聴いたばかりだ。ただ、曲が静かなだけに、この日のオケのメンバーのパワーはまだ充電中といった感じ。ちなみに最近、ナクソスレーベルよりリリースされた準・メルクル&フランス国立リヨン管弦楽団のアルバムにも同曲が収録されている。 Aメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 ヴァイオリン・ソロの山田晃子は'00年に13歳でパリ音楽院に入学、'02年にはロン=ティボー国際コンクールで史上最年少の16歳で優勝した経歴を持つ、まだ21歳という実力派若手ヴァイオリニスト。今回の共演はそんなフランスつながりという縁もあったのだろう。 秋にふさわしい選曲だなと、期待して聴いたAだったが、自分にとってはやや期待外れに終わった。聴き所の一つである冒頭の優美なヴァイオリンの旋律が自分の耳には合わなかった。随所で技巧的と感じる事はあっても、音が繊細すぎて、朗々と歌い奏でる演奏にはなり切れてなかったように感じた。 3楽章もテクニカル面は完璧なものの、その完璧さが、まるで国際コンクールのコンテスタントの演奏を聴いているようだった。もちろん、これは主観的な印象に過ぎない。聴衆からは絶賛の拍手でアンコールを求められていた。 一方、オケは重心低めのサウンドを展開。トランペットもロータリー式を使用する等、ドイツ的な重厚さも漂う。ドイツ生まれのメルクルならではの棒さばきだ。 Bムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編) この日のメインディッシュ。先日のチェリビダッケ&ロンドン響のDVDでコメントした内容と同様、聴き所満載の曲だ。この日の準・メルクル&フランス国立リヨン管の演奏は、ドビュッシーと並び自国の偉大な作曲家、モーリス・ラヴェルの視点に立ったアプローチ。 準・メルクルの指揮もいよいよ本領発揮。ムソルグスキーの作品に漂う土俗性というよりは、メロディアス性に比重が置かれ、パッとはじけるような色彩感をオケから引き出す事に成功している。フレンチ・シェフとなった準・メルクルの面目躍如だ。 一本筋の通った旋律の歌わせ方は、クラウディオ・アバドやリッカルド・ムーティなどイタリア系の指揮者との共通点も感じる。彼のオペラ指揮者としてキャリアも活きている一面かもしれない。 各奏者も実に巧い。冒頭「プロムナード」での首席トランペット奏者のソロ、「ブイドロ」の女性ユーフォニウム奏者のソロ、「卵の殻をつけたひなどりの踊り」でのフルート、「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」でのストリングスとミュート・トランペット。 そして「バーバ・ヤーガの小屋」と「キエフの大門」では大音響の中、フルメンバーでクライマックスを築きあげる。 「展覧会の絵」を生で聴くのはこれで2回目(1回目は読売交響楽団)だが、最後の2曲はいつきいても壮大。ラヴェルのオーケストレーションの巧さ、オーケストラサウンドの素晴らしさを改めて感じる。ホールにいっぱいに広がる大音響、これぞオーケストラサウンドの醍醐味だ。 準・メルクルは何となく若かりし頃の小沢征爾に似ている(^^)謙虚な立ち振る舞いがまた好印象。彼自身による片言の日本語での曲紹介の後、アンコールに演奏されたドビュッシーの「月の光」の美しかったこと!ストリングスによる旋律も、この曲にぴったりだ。今宵のプログラムのアルバムがリリースされたら是非購入したいものだ。 来場客はフランス人も多く(前列には4名の貴婦人が・・・)、熱烈なスタンディング・オベーションで応える人も。さすが愛国心の強いお国柄だ(^^) ドビュッシーに始まり、ドビュッシーに終わる。フレンチ・シェフ、準メルクルの見事な演出だった。 |
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