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表のジャケットはマリス・ヤンソンスの顔。本人の顔とはいえ、思いつめたような深刻さがちょっと(?)不気味だ(^^; ついでにジャケット裏のラフマニノフ本人の凛々しい顔を…(^^) フィルハーモニア管弦楽団によるラフマニノフの交響曲第2番は、自分が所有しているだけでもデジタル時代の録音が3種類ある。マリス・ヤンソンス盤('86年録音、CHANDOS輸入盤)、クルト・ザンデルリンク盤('89年録音、TELDEC国内盤)、ヤーチェク・カスプシーク盤('89年録音、Collins輸入盤)。ほぼ同時期に録音が続いているが、いずれも個性の感じられる名演だ。今宵は現在の所、マイベスト盤であるマリス・ヤンソンス盤('86年11月19・20日録音、オール・セインツ教会にて収録)を。 このヤンソンス盤は、もし実演だったらブラボーと思わず声をかけたくなる熱演を展開。上記3種はいずれも完全版を使用しており、ともすると単に演奏時間が長いという印象だけを与える演奏になりがちだが、ヤンソンスはそんな冗長さに埋もれることなく、この曲の構成をしっかりと掴んだ上で主張したい部分はしっかりと主張させ、メッセージ性を持った指揮ぶりが演奏から伺える。ヤンソンス自身、この曲に相当な熱意を持っているのだろう。 ラフマニノフがもしこの演奏を聴いていたら、良き解釈者として大いに賛同してくれたかもしれない。 特に感心したのは有名な3楽章のアダージョ。中間部のクライマックスに向けて徐々にストリングスを加速させ、この楽章のクライマックスに一気に駆け上っていくテンポの運び方にうならされる。 全体的にはストリングスや木管の印象的な旋律が目立つ曲だが、ストリングスと共に響くホルンの旋律や、2楽章や4楽章のアレグロ楽章で重要なアクセントを効かせているホルンの鳴らせ方も素晴らしい。フィルハーモニア管弦楽団のサウンドに改めて惚れ込んでしまう。 ジェームズ・デプリースト盤は絶妙なサウンドのバランス感でオケをドライブしていたの対し、このマリス・ヤンソンス盤は自分なりのこだわりが随所に感じられる意味でも、対照的な演奏だ。デプリーストはフィラデルフィア出身、ヤンソンスは旧ソ連邦の一つであったラトビア出身というお国柄の違いもあるかもしれない。 このアルバムから、ヤンソンスがコンサート型の指揮者だなと感じられたのは2年前、05年のバイエルン放送交響楽団との来日で実際に実演に接した時の印象とも重なる。横浜みなとみらいホールでの横浜公演で、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(ピアノ:イエンフ・ブロンフマン)に、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番というコテコテなロシア2大プログラムだった。 NHK音楽祭で放映されていたアンコールでの「アルルの女〜ファランドール」も、テンポの運び方の絶妙さに、ヤンソンスの狙いが凝縮されているようにも感じた。ただ、それ以上のものを感じなかった事も事実。ロイヤル・コンセルトへボウ管とバイエルン放送響という2大オケを手中に収めた今後のヤンソンスの活躍に期待したい。 この曲はヴラディーミル・アシュケナージ&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団盤(デッカ)が初めての出会いだった。ラフマニノフのメロディー・メーカーとしての一面を垣間見ると共に、コンセルトヘボウ管のしなやかなストリングスセクションの音、デッカの優秀録音にも感動したものだ。 ヤンソンス盤はCHANDOS定番のオール・セインツ教会で収録。残響豊かな響きがこのラフマニノフにもぴったりだ。ちなみにザンデルリンク盤はセント・バーナバス教会(ミッチャム、サリー州)、カスプシーク盤はアビー・ロード・スタジオと、収録会場の違いによるサウンドの違いも楽しめる。カスプシーク盤のみ、「ヴォカリーズ」が収録されているのが嬉しい。 この数日間も仕事で深夜帰りが続いてしまい、疲れがたまってしまった。そんな時、波間に漂っているような感覚になれるこの曲は、オケ版ゴールドベルグ変奏曲のような存在だ。 《参照マイブログ》 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ラフマニノフとサン=サーンスの共通点〜ベラ・ダヴィドヴィッチのピアノコンチェルト〜 |
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